太陽と月と地球。
古来より対極をあらわすメタファーとして語られてきたこの3つの天体が、まもなく一直線に重なる。
ここに現代的な寓意を読み解きたい。
コペルニクスがかつて語った「地球は太陽を中心に回転している」という言葉に、大きな価値基準の起点を見出せるとすれば、それが近現代の科学と市場原理を重視した“超客観”的社会システムを構築したと言える。
一方で、その果てに誕生したソーシャルな社会では、多様性の価値基準、つまり個の欲求や無意識、アニマを基にした“超主観”的価値基準が再び屹立してきた。
この二律の相克が、私たちの行動規範に大きな矛盾を与えているのではないだろうか。そして、長い歴史の果てに邂逅する、この二律の“中間”に新たな価値基準を立脚する。
このイメージを雄大な日食に見立て作品化することで、対峙させた二律背反の絵画の間に立つ鑑賞者の視点は「Social Eclipse」のメタファーとして成立する。
野村康生
会期 : 2012年05月18日 (金) – 05月23日 (水)
時間 : 12:00 – 20:00 (最終日17:00閉廊 / 木曜休廊)
会場 : 新宿眼科画廊
〒160-0022 東京都新宿区新宿5-18-11
Web : http://www.gankagarou.com/sche/201205nomurayasuo
トークイベント “アートコアサミット2012 in 日食”
会期 : 05月20日 (日) 20:00 – 22:30
会場 : 新宿眼科画廊
ゲスト :
沖冲.(ペインター、mogragディレクター/ライター)
結城加代子(ギャラリスト、コーディネーター)
黒瀬陽平(美術家、美術評論家、カオス*ラウンジ代表)
水田紗弥子(インディペンデント・キュレーター)
東出菜代(オフィス・ド・アッシュ代表、Webサイト「マイクロ メセナ」の運営)