Break free from the Gravity
PION Project main visual for desktop
PION Project main visual for mobile phone
Photo courtesy NASA

PION

PION(パイオン)は次元芸術の系譜を引き継ぐ「Dimensionism 2.0 2.0」を体現する試みとして誕生しました。高次元幾何学と光学現象を利用したこの大きな体験型インスタレーションに足を踏み入れるとき、その効果によって引き起こされる新しい知覚体験は私たちの空間概念をアップデートさせます。

20世紀の科学技術は人類を物理的な宇宙空間へと連れ出すことに成功しました。そこではじめて私たちは上下、前後、左右の方向に意味を持たない純粋な三次元空間を経験したのです。人類を含め地球上に誕生した生物種の全てがこの地球の重力に適応することによって進化してきました。それは身体的な特徴に止まらず私たちの思考や社会システムにも影響を及ぼしてきたのではないでしょうか。PIONは私たちの空間概念がこの強烈な上下バイアスによって歪められている可能性を示唆し、それを乗り越える理想の場として重力から解放された純粋三次元空間=宇宙空間を目指すことを要請しています。

21世紀、本格的に宇宙時代を生きる次世代の人類は地球上の生物としてはじめてこの空間を基底とする社会を形成する種となり得ます。この空間で過ごす時間が増せば増すほど、重力の偏りに依存しない新たな身体性が生まれ、これまでの生物が獲得したことのないリアリティが育まれてくる。PIONはそのめくるめく未来を皆さんと共に創造するためのインターフェースとなります。

私たちチームはこれから人類史上初の宇宙空間での体験型アートインスタレーション衛星「PION Sat」の打ち上げを目指します。どうぞあなた自身が直接そこへアクセスする姿を想像してみて下さい。

Yasuo Nomura

Artist portait
Photo by Naoki Fukuda

野村康生は、日本の島根県出身でニューヨークを拠点に活動するコンセプチュアル・アーティスト。2004年に武蔵野美術大学油絵科を卒業、 2018年度の文化庁新進芸術家海外研修制度を受けてニューヨークに滞在。2021年にVilcek Foundationから3年間の制作サポートグラントを獲得しプロジェクトベースの作品制作を展開している。

彼の作品は、自然界や私たち宇宙の物理的・数学的な結びつきを探求するところからスタートし、2015年にカブリIPMUでのレジデンスプログラムに参加したことで現代物理学の最先端理論である超ひも理論と出会い「Dimensionism」という概念にたどり着いた。以来「高次元」を対象とすることで私たちの知覚や認識を更新することを目指した作品を制作している。

Artist portait
Photo by Naoki Fukuda