Pion
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Pion / 2007 / 270x270mm / mixed media

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Birthday / 2008 / 1620x1300mm / oil on canvas / photo by Nobuyuki Fujiuchi

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TIME / 2008 / 1620x1300mm / oil on canvas / photo by Nobuyuki Fujiuchi

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Mitochondrial Eve / 2007 / 2900x2130mm / acrylic on cotton

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Female inheritance / 2007 / 2900x2130mm / acrylic on cotton

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Vinyl / 2007 / 1030x1456mm / tape on panel

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「パイオン」とは湯川秀樹が中間子論で予言したπ中間子、つまり原子核を構成する陽子と中性子を相互につなぎ、原子核を安定化する引力を媒介する粒子の一種である。「中間」を意味する言葉として作品タイトルに引用した。
本作品は、父と母という2つの極点の狭間に誕生した自分を規定する、最も根源的な要素を考察するために制作を始めた。2007年の作品は、私の「祖母と母」「母と姉」を1つのキャンバスへ交互に描いた。展示会場となった禅宗「東方禅寺」からも着想を得て、画面を1080マスに分割し、仏教の教義の1つである「108の煩悩」のうち、「前世・今世・来世」という概念に「祖母・母・姉」という遺伝的時間軸を呼応させた。そして2008年には、同じ両親から派生した遺伝子の広がり方を示すため、「自分と兄」、兄の息子である「長男と次男」を描いた。
異なる設計図からあらかた同じ組み合わせによって産み出された”「個」には、驚くほど共通項が存在し、2人に宿る両親の存在が浮き彫りとなる。この世に創出した生命には必ず父と母が存在する。つまり、中間(=子)を考えた時、必然的に極(=両親)が紐づいてくる。歴然と存在するこのサイクルを鑑みると、自身を取り巻くいずれもが同じ仕組みで存在していることに気づく。自然を構成するものである自身を、ミクロの視点にまで落とし込み、思考・選択する際は相対する極、そしてその中間に目を向けることを提唱したい。

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